幼児退行

私は3才の保育園児になっている。何かが嫌で保育園に行きたくないらしい。帰りの時間に近づくと行われる日課のせいだったか、詳しい原因は思い出せないが、毎日その時間になるとトイレに逃げて個室の中で泣いている。

夢の中の私はまだ幼い歳なのに、今と同じように先生の精神科に通っていて、今と変わらない診察を受けている。フラッシュバック用の薬もパニック発作用の薬もどちらも欲しいけど、病院の都合上どちらか一方しか出せないため、私は今日どうしたらいいんだろう、と待合室にいる最中から半泣きになっていたが、先生が両方を上手く組み合わせた薬を処方してくれる。

先生に「小さなもやもやが沢山溜まってるみたいだけど、原因はきっと保育園にあるね」と言われ、そこで保育園に対する決定的な嫌な記憶が蘇る。

翌朝、「今日はもうどうしても保育園に行きたくないのだ」と布団に潜り込んで隠れた。ベッドの脇で、黒い人型の影のようなものが歩き回っている。これが私のストレスの原因。これがあるから保育園に行くことが出来ないの。怖くて堪らなくなって、泣きながら頭から布団を被る。

お母さんがベッド脇に膝まづいて「ういちゃん、朝だよ」と優しく言う。私は涙を止めることも出来ず、「嫌だ、嫌だ」と繰り返し叫んでいる。お母さんが保育園の給食の献立を読み上げて、「今日はこんなメニューだ」と教えてくれる。「ういちゃんの好きなオレンジの果肉が入ったジュースもあるよ。朝ごはんはこれにしない?」と優しく声をかけてくれているのに、それでももうダメだった。涙が止まらない。